工場への転職や就職を考えているけれど、自分に向いているのかわからず、不安ではないでしょうか。
筆者は、製造業で14年間勤務してきました。多くの人と関わるなかで、工場勤務に向いている人と向いていない人の特徴が見えてきたのです。
本記事では、その特徴を実体験を踏まえて紹介します。この記事を読めば、工場勤務の魅力がわかり、実際に働いたときのギャップも少なくなります。その結果、後悔せずに長期で働けるでしょう。
工場勤務の仕事に興味がある人は、ぜひ最後までお読みください。
工場勤務に向いている人の特徴3選
工場勤務に向いている人の特徴は以下の3つです。
- 体を動かして働きたい人
- プライベートを充実させたい人
- ルーティン作業が得意な人
体を動かして働きたい人
工場勤務では、1日中立ちっぱなしで作業することが多いです。部品の運搬・組み立て作業など、常に体を動かすため、体を動かして働きたい人に向いています。
筆者の同僚に、前職がデスクワークだった人がいます。彼は工場で働き始めてから、わずか1ヶ月で5キロも減量しました。
特別な運動をしなくても、仕事で痩せることもできます。
プライベートを充実させたい人
工場勤務は、プライベートを充実させたい人にも向いています。多くの工場では、交代勤務を導入しています。
交代勤務とは、従業員が時間帯を分担して働く勤務形態です。
交代勤務では働く時間が決められているため、急な残業が少なく、予定が立てやすくなります。その結果、プライベートの時間も充実させやすいです。
ルーティン作業が得意な人
工場の仕事では、流れてきた商品を箱詰めしたり、部品を組み立てたりと、同じ作業を繰り返すことが多いです。こうしたルーティン作業が苦にならない人は、工場勤務に向いています。
筆者もルーティン作業が得意で、同じ作業をこなすと安心感がありました。また、決められた時間で指示された作業をこなすことが得意な人も工場勤務に向いています。
工場勤務に向いていない人の3つの特徴
工場勤務に向いていない人には、以下の3つの特徴があります。
- 体力に自信がない人
- 常に変化や刺激が欲しい人
- やりがいを求める人
体力に自信がない人
工場勤務は、立ち仕事や力仕事が多いため、体力に自信がない人には向いていません。また、夜勤や交代勤務がある場合は、よく眠れず体力が回復できない可能性もあります。
体力に自信がない人は、普段からランニングや筋トレをして体力をつけておきましょう。
また、工場で安定して働くコツを以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はこちらも参考にしてください。
>>発達障害持ちが夜勤で働くメリット・デメリット|安定して働くコツを経験者が解説
常に変化や刺激が欲しい人
工場では、同じ作業を繰り返すことが多いため、仕事で変化や刺激を求める人は退屈に感じるかもしれません。ただし、業務を効率化したり、品質を向上させたりといった工夫により、仕事に変化をもたらすこともできます。
業務の効率化・品質の向上活動などが評価されれば、給料アップや賞与が増えることもあるので、積極的に挑戦してみましょう。
やりがいを求める人
工場勤務では、決められたことを正確にやるのが大切です。やりがいを求める人にとっては、物足りないと感じる場合があります。
とはいえ、工場勤務でもスキルを身につけ、キャリアアップも可能です。例えば、以下の例があります。
- 現場主任(リーダー)
- 生産管理
- 生産技術
- 研究開発
筆者の同僚にはライン作業者として入社し、さまざまな経験をして、現在「研究開発班」で働いている人がいます。やりがいを求める人は、社内でキャリアアップを目指す働き方がおすすめです。
経験者が実感!工場勤務の4つの魅力
ここでは、実際に工場で働いた経験者の視点から、工場勤務の魅力を紹介します。
- 未経験でも転職しやすい
- 給料・福利厚生が充実している
- 資格が取得できる
- AIの代替が起きにくい
未経験でも就職しやすい
厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況(令和7年8月分)」では、生産工程従事者の有効求人倍率は1.49倍でした。これは、求人1人に対して1.49件の仕事があることを意味します。
さらに、工場勤務の求人には「未経験歓迎」「学歴不問」と記載されているものが多いです。実際、筆者が勤めていた工場でも、前職がアパレル販売員・営業・飲食業など、製造業未経験の人と一緒に仕事をしていました。
年齢面でも、30代で入社する人は少なくありません。マニュアルや研修制度が整っている職場が多く、やる気さえあれば、年齢や経験を問わず挑戦できる環境が整っています。
給料・福利厚生が充実している
工場勤務の魅力は給料・福利厚生が充実しているところです。厚生労働省が発表している「令和6年賃金構造基本統計調査」では、製造業の平均年収は318.6万円でした。
夜勤や休日出勤をすると、さらに給料が上乗せされます。筆者も、就職してから4年で年収400万円を超えていました。
また、寮や社宅に安く住めたり、通勤手当などを支給する企業もあります。福利厚生は企業によって異なるため、求人に応募する前に調べておきましょう。
資格が取得できる
現在、資格を持っていない人でも、就職後に資格が取得できます。取得できる資格は工場の職種によって異なりますが、筆者は以下のような資格を取得しました。
- 玉掛け技能
- 危険物取扱者
- 床上操作式クレーン運転技能
企業によっては、就職後にフォークリフトの運転技能講習を受けて資格を取得でき、転職時にも役立ちます。
AIの代替が起きにくい
工場勤務はAIによる代替が起きにくい仕事でもあります。株式会社アルダグラムが2025年8月に実施した「生成AI活用の5業種調査」では、製造業の生成AI使用率は24.6%でした。
AIの活用が増えている一方で、AIでは対応できない作業も多いです。
- トラブルが起きたときの原因究明
- ラインを止めるか止めないかの判断
- 作業の改善
AIが普及しているとはいえ、現場では人の判断が求められる場面が多くあります。そのため、工場のすべての雇用がなくなることは考えにくいです。
まとめ
工場勤務は、体を動かして働きたい人やプライベートを充実させたい人に向いています。また、ルーティン作業が苦痛にならない人にもおすすめです。
工場勤務は未経験でも転職しやすく、キャリアアップも目指せます。最初は業務に慣れるのに精一杯かもしれません。やがて作業に慣れてくると他の業務にも取り組めるようになり、業務効率化や品質向上の提案をするチャンスも生まれます。
興味がある人は、ぜひ一度工場勤務に挑戦してみてください。
